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代々木公園の旧国有地に家賃360万円の高級賃貸マンションが誕生―英グロブナーが開発

 【2008-11-28:千葉利宏】
grosvenor 東京オリンピックの会場となった代々木公園を望む絶好のロケーションに富裕層向けの高級賃貸住宅が完成し、11月27日に記者発表が行われた。賃料は月額130万〜360万円で、敷地は小泉内閣時代の国有資産処分で売却された国有地。国民にとって貴重な資産が”超”高級賃貸に生まれ変わったことに「土地投機を増長しないためにも、都心部の国有財産は長期貸借契約にすべきではなかったか?」(有識者)との声も聞かれる。
 今回の高級賃貸物件を開発したのは英国の不動産会社、グロブナー(会長・D・ヒューム伯爵)。英国でも高級住宅街として知られるロンドンの「メイフェア」を開発したことでも有名で、300年以上の歴史を持つ。2000年から香港を拠点にアジアでの不動産投資をスタートしていた。

 これまで日本では住宅や商業不動産のファンドを中心に運用を行っていたが、長期保有目的で不動産開発にも着手した。2005年に新興デベロッパーのプロパストが財務省から落札した代々木公園のグランド跡地を、06年にグロブナーが取得。東京建物の協力を得て開発を進め、総戸数45戸、一戸当り占有面積が150〜360平方メートルの高級集合住宅「グロブナープレイス神園町」が完成した。

 記者会見したグロブナー・アジアパシフィックのチーフエグゼクティブのニコラス・ルー氏は、「日本の不動産市場は、長期的にはポジティブと考えている。ファンダメンタルズは強固で、短期的には不況の中にあるが、市場は必ず回復する。来年末には中国経済が回復し、その影響が日本にも波及する」との見方を示した。現在、同社のアジア地区での資産保有高は20億ドルだが、「5年後には50億〜60億ドルまで拡大したい。うち日本はその4割程度を見込んでいる」と、引き続き積極的な投資を行っていく考えを示した。

 ちなみに、家賃360万円というと、先に詐欺事件で世間を騒がせた音楽プロデューサー小室哲也氏が払っていたと報じられている家賃200万円を大きく上回る。会見では、ある投資銀行の予測調査として、日本における金融資産100万ドル以上(約1億円)の富裕層は2007年で360万人だが、10年後の2017年には1060万人に拡大するとの予測が示された。

 海外の投資家が日本不動産市場に積極的に投資することは歓迎すべきことではある。ただ、国有財産の売却に当っては、特定の企業や個人の利益となる開発ではなく、国民や社会に貢献する要素を組み入れるべきとの意見は多い。借金返済のためには出来るだけ高値で売却すべきとの声もあるが、旧国鉄跡地売却によって80年代の土地バブルを招いた苦い経験もあり、転売目的の企業への国有資産売却の是非を含めて議論すべき問題だろう。

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