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エクイティ型REITの経営破たんは世界初―ニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生法を申請

 【2008-10-10:千葉利宏不動産投資信託(REIT)のニューシティ・レジデンス投資法人が10月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破たんした。負債総額は約1123億6500万円。不動産そのものに投資を行うエクイティ型REITの経営破たんは、不動産証券化協会によると世界で初めて。REIT破たん処理のスキームがまだ確立されておらず、当面は監督委員の判断で処理が進められる見通し。今後、金融庁と国土交通省が緊密に連携してREIT再編などの対応策を早急に講じる必要が出ている。
 REITは、米国で1960年代に導入されたあと2000年ごろから世界各国でも制度を取り入れるところが増えて、現在は20カ国以上に導入されている。日本では2001年に「J-REIT」の名称で制度がスタート。同年9月10日に東証に2つのJ-REITが上場し、これまでに42銘柄が上場している。ニューシティ・レジデンス投資法人は04年9月に設立されて、12月に上場した賃貸住宅を対象とした中堅のJ-REITだった。

 日本のJ-REITは、制度上は会社型の形態が取られていたため、一般企業と同様に資金繰りが悪化して経営破たんするリスクは当初から指摘されていた。すでに今年の春ごろからJ-REITの経営破たんの可能性が出てきたことから、不動産証券化協会などでも破たんした場合の処理スキームなどの研究には着手していた。国土交通省の幹部も「J-REITの再編は不可避。そのための対応策を早急にまとめたい」としていたが、急激な環境変化に対策が間に合わなかったと言える。

 REITの再編には、税制と会計制度の不一致などの制度的な改善が不可欠と言われる。救済する場合も、出資比率が50%を超えると導管性が失われたと判断されて課税されるため、1社ではなく複数の会社が歩調をそろえて行う必要がある。さらに投資法人によって会計処理の方法などが異なり、合併や救済などの処理スキームも個別性が強い。これらの問題への具体的な解決策がまだほとんど準備されていない状況にあった。

 「すでに研究には着手していたが、エクイティ型REITの経営破たんは世界的に見ても事例がない。個別性も強いので、事前に処理スキームを準備しておくことが難しかった」(不動産証券化協会)。米国では、不動産融資を対象としたモーゲージ型REITのリスクが高いとして、エクイティ型への移行が進んでいたと言われるが、世界初となるエクイティ型REITの破たん処理をどう進めるかは世界各国からも注目を集めることになりそうだ。

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