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液状化被害から3か月の浦安―復活のカギは地元住民による「地域力」

 【2011-06-13:伊藤俊祐】「関東ローム層の上に建つ分譲地。地盤が強く安心して住めます」―。先日、そんな文言が記されたチラシが郵便ポストの中に入っていた。その分譲地は、埼玉県南部の新座市の物件。千葉県浦安市に移り住んで8年目となるが、これだけ離れた土地の広告を目にしたのは初めてだ。また、ある住宅会社が東京都の西部に位置する多摩市で分譲住宅を販売したところ、浦安市在住の2家族が訪れた。担当者によると「まったく予想していなかった地域のお客さま」だという。
 新浦安震災関連
【写真】小学校の近くの道路を整備するおやじの会のメンバー(2011年3月下旬)

  東京ディズニーリゾート(TDR)で有名な浦安市は、今回の東日本大震災によって改めて全国区となった。液状化現象でインフラ網がずたずたに寸断され、市民生活は大打撃を受けたからだ。
 当初の震災報道は東北一辺倒。一段落して、浦安の被害状況を伝える映像が放映されるようになり、私の下に友人・知人からの連絡が随時入るようになった。

 浦安市の4分の3は埋め立て地。その大半が液状化による被害を受けた。自宅のマンションはJR京葉線・新浦安駅から東京湾に向かった場所にあるが、駅周辺の建物と道路の間には大きな段差が発生。道路も波を打ち、至る所で砂が噴出した。わが家で水が使えるようになったのは震災後10日目。それまでは毎朝、近くの小学校に設置されていた給水車から水をもらっていた。

 建物の直接的な被害はなかった。ただ、因果関係は解明されていないが、寝室の床を歩くと大きな音が発生するようになった。しかし、戸建て住宅に比べればマシだと慰めるしかない。知人宅は液状化によって軒並み傾き、震災後3カ月を経過しても未だに紙をトイレに流せない地区もあるからだ。

 私が新浦安地区のマンションを購入した理由は、東京駅まで快速で約16分という利便性に加え街並みの美しさにひかれたため。ディズニーランド効果もあって地価も好調に推移していた。

 しかし、震災後は状況が一変した。地盤が沈下したため雨が降ると至る所に水が溜まるようになった。復旧工事は着々と進んでいるが、以前のような景色や快適性を完璧に取り戻すのは難しいだろう。中古マンションの市況も不透明感が増しつつある。「再び大地震が発生した場合、同じことが繰り返されるのか」と不安を感じる住民も少なくない。結果として遠く離れた場所の不動産情報が舞い込んだりするわけだ。

 浦安の復活に向けてはさまざまなハードルを乗り越える必要があるが、最大のカギは「地域力」の発揮だと認識している。

 自宅周辺は新しい街だが、住民同士の交流は少なくない。少年野球・サッカーチームの活動は活発で、小学校では「おやじの会」という勝手連的な組織が結成され、さまざまな行事を支える。震災後にも至る所で住民によるボランティアが行われ復旧に寄与した。

 ハードに依存するだけでなく住民の意思で地域力に磨きをかけ、街としての総合力を高める―。浦安だけでなく被災地全体が復興に向けて取り組むべき課題だろう。(産経新聞社 経済本部)

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