REJAニュースTopへ

日本不動産ジャーナリスト会議(REJA)が提供するニュースサイト

<< 言論NPO、阪神淡路大震災のボランティアまとめ役の早瀬昇氏のインタビューを掲載 | 日本不動産ジャーナリスト会議 | 自分たちの持ち場でそれぞれの支援 >>

復興で問われる人口減少・高齢化時代の土地利用

   【2011-03-19:REJA会員07】町全体が津波に飲み込まれて消えてしまう。テレビから繰り返されるホラー映画のように場面にショックを受けた人も多いだろう。地震の歴史の研究者らによると、津波が数キロ先の奥地まで侵入する地震の規模は、9世紀以来とされる。それなら1000年に一度の災害といってよい。その瞬間から頭にこびりついているのは、堤防や港湾、道路などのインフラが壊され、海面下に陥没したエリアの再生をどうするかだ。

  普通なら「現状復帰」だろうが、私はそうは思わない。完全に復興するまでにはおそらく10年、20年とかかるだろうが、それまでに地域の過疎化と住民の高齢化は劇的に進む。むしろ震災の影響で人口減少は加速されるだろう。職を求めて仙台や東京に移住せざるを得ない人が増える。問題は被災地だけでなく、この先20年先には高齢者が過半を占める「限界集落」や「限界自治体」が全国的に増えてゆく。そのときになって新しい都市政策が必要とされるが、一つは既存の人口集積地への集団移転だ。新たな「集住政策」といってもいいだろう。

 10兆円規模の復興予算が組まれる話が具体化しつつある。問題は額だけはない、どういう志で予算を使うのか。その青写真が重要なのはいうまでもない。高台に新しい町をつくって、被災地の人々を集める方法もある。 とりあえずは、人口減少に悩む周辺の自治体の空き家を活用するのか、様々な手立てが考えられる。

 また、財政的に日本は、従来型の復興に巨費を投じられない財政構造になっている。「阪神震災のときのように復興需要で景気が回復する」とばかりは言えない。GDPに対する公的債務の額は、95年の阪神大震災当時は約80%に過ぎなかった。だが今は約180%程度で、財政は2倍以上悪化しているのだ。

 「復興のための国債増発」は財政リスクをはらむのだから、デフレに20年も沈んでいる日本に新たな希望をもたらすような斬新な復興計画が必要だ。

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://news.realestate-jp.com/trackback/1406935
この記事に対するトラックバック




お問い合わせメールフォーム