REJAニュースTopへ

日本不動産ジャーナリスト会議(REJA)が提供するニュースサイト

<< 「住宅連結新時代」が続く2011年からの不動産の未来は「絶望」なのか?―タワーマンションが高度成長時代の墓標にみえる | 日本不動産ジャーナリスト会議 | 不動産大手2社にみる“温故知新”と「選択と集中」戦略による拡充の妙―2010年を振り返って >>

復興小の中央小解体急ピッチ―明石小は解体、更地に

  【2010-12-22:川上湛永】関東大震災後に建てられた東京都中央区立中央小の校舎の解体工事が始まり、81年の歴史を刻んだ校舎が姿を消そうとしている。日本建築学会が重要文化財級として指摘し、住民らの保存運動が燃え上がった同区立明石小は11月末で解体工事が終わり、更地となった。住民や建築家の保存の訴えを退け、校舎解体、建て替えを急ぐ、区の姿勢が問われる。
中央小解体明石小更地に
【写真】歴史を刻む校舎が解体されてゆく=中央区湊1丁目の中央小で。高橋義明さん提供(左)、更地になり84年の歴史を閉じた明石小(右)

  同区湊1-12の中央小は、先に解体した講堂跡などに据えられた3台の重機のアームが伸び、3階建て校舎の窓や屋根を引きちぎるように解体してゆく。解体現場の囲いの隙から、カメラを向けようとすると、「戸田建設の事務所に了解を取ってくれ。扉は開けられない」と警備員。その間に、バリバリと激しい騒音を立てて、校舎の屋根が崩れてゆく。

 近くに住み、保存運動の先頭に立つ高橋義明さんは、「何とも言いようがない。地域住民にとってかけがいのないものがあっという間に壊されてゆく」と息をのむ。

 中央小は、同区に現存している7つの復興小の一つで、昭和4年3月竣工。東京市主任技師・原田俊之助設計で、当時の先進的だった表現主義的デザインが評価されていた。耐震性を確保するため、最新だった鉄筋コンクリート造を採用し、児童の健康と安全を重視、室内換気に配慮して天井高を高くとり、採光にも工夫するなど、近代教育行政上でも高い価値をもつと、と建築学会は評価している。

地域の中核だった中央小

 「中央区立中央小・幼稚園の建替え計画を考え直す会」の高橋さんは、「学校と道路を隔てて公園、神社があり、お祭りなどの行事も地域と一体となっていて、すばらしい環境だった」と強調する。高橋さんらは10月12日に区議会に、同小の保存で請願を提出したが、即日に不採択になった。

 「以前に、矢田区長など区幹部と話し合った際に、中央小は校長室が狭くてかわいそうだ、とピント外れのことを言っていた。文化財を守るという意識は少しでもあるのだろうか」といぶかる。

 考え直す会では、解体後に建設される5階建て、高さ29メートルの新校舎についても、移動式屋根を設置した屋上校庭などは児童にとって良好な環境とは言えないなどと、教育上、防災上の問題点を指摘している。

築84年の明石小、解体

 建築学会が重要文化財級と高く評価し、2月以降、住民が区当局に保存の訴えを出した大正15年8月竣工の明石小は、9月から本格的解体工事が始まり、11月末に完全に姿を消した。記念碑的校舎が消え、空が広くなった跡地が冬空に寒々としている。コンクリートの床だけがのぞき、ところどころに土砂の塊が残るだけ。新校舎の建築に向け、外周が鉄板で囲われた。

 「明石小の保存を望む会」の建築家・多羅尾直子さんと日色真帆さんは、「明石小は、壊さずに保存再生すべきであった」とするレポートを10月末に発表。「建築・文化財保存、行政的判断、文化的、歴史的価値、耐震性などの観点からも保存再生利用が可能であった。区議会で取り壊しが決まっていたとしても、区長の判断次第で見直すことは可能であった」と断じている。

この記事に対するコメント

川上様
「中央区立中央小・幼稚園の建替え計画を考え直す会」の高橋です。
23日からの出張より戻り、早速ニュースを拝見・拝読させていただきました。
現状を的確にご報道いただきありがとうございます。
早速、他のメンバーにも知らせます。
今日の夕方は、「平和プラザ」という明石小でもサポートしていた月島のグループの会合で、中央小についてこれまでの経緯や中央区のひどさかげんについて1時間ほど話をさせていただくことになっています。改修・保存派への理解者が増え、中央区への疑念や怒りが増していく状況です。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
高橋義明 | 2010/12/28 10:10 AM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://news.realestate-jp.com/trackback/1406925
この記事に対するトラックバック




お問い合わせメールフォーム