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猛暑でも快適ライフ―外断熱の南大沢団地で見学会

 【2010-09-13:川上湛永】多摩ニュータウンで、築23年目に初めて団地を外断熱改修した八王子市の南大沢ホームタウン(10棟、146戸)で12日、竣工後初の一般見学会が行われ、都内や神奈川県内の管理組合役員ら40人が参加した。東京外断熱ネットワーク事務局(運営主体・NPO法人外断熱推進会議)の主催で、参加者は、「冬はもちろん、猛暑の今夏も一部屋だけのエアコン使用で、住宅中が涼しく、外断熱の効果を実感した」という住民の声に、団地の外断熱に感心しきりだった。
ホームタウン南大沢
<写真>マンション外断熱改修見学会(9月12日、八王子市南大沢ホームタウン)
 同団地は、昨年12月26日に、国交省の既存住宅建築物省エネ改修緊急促進事業の制度発足を知り、住環境委員会のメンバーを中心に、急きょ、検討して応募、3月に5千万円の補助が決定した。年の瀬に慌ただしく制度を打ち出した国交省も変則的だが、数年前から、管理組合で外断熱に関心をもち、勉強会などで情報収集していた下地はあったとはいえ、管理組合の決断の速さは、特筆すべきだ。

 全体の大規模修繕工事は、2億8千万円で、このうち外断熱工事に2億円。補助が下りたとはいえ、1億5千万円の負担になった。十分の修繕積立金があったことが外断熱改修の背中を押したといえる。

真空ガラスの効果も寄与

 同団地は、10棟で3―5階建て、エレベーターは設置されていない。28戸の一戸建ても団地を形成しているが、外断熱は一戸建てには採用しなかった。

 工事は、NPO外断熱推進会議が、設計、積算、管理を担当、TOHO(千代田区)が施工した。工期は昨年9月からことし1月末まで。03年に屋上の外断熱改修工事を済ませており、今回、屋上改修は除外した。

 工法ではサンクビット(千代田区)のドライビット・アウサレーションを採用した。同社独特の、湿式工法。厚さ50ミリのポリスチレンフォームを断熱材に使用した。表面をガラス繊維メッシュと樹脂モルタルで覆い、耐火性能を高めている。ベランダをのぞく外壁部分全体に、外断熱材を張った。空調等スリーブ部分が外壁には多いが、断熱材に大小の孔を開けて、対応した。カッターで容易にカットできる作業性のよさが工事効率を高めた。外壁は淡い茶系とし、棟ごとにわずかに色調が異なるが、外断熱採用で新築団地のような印象だ。

 熱損失は、窓ガラスからも大きいが、今回は、断熱性能の優れた真空ガラスを採用、既存のガラスと交換した。この真空ガラスの効果は大きく、団地住民で一級建築士の秋元孝夫さんは、「施工前の調査では。8割の住宅で結露、カビの発生を訴えていたが、完成後ガラス面の結露がほとんど消えたうえ、結露は避けられないとみていたアルミサッシの枠部分からも結露が出なくなった」と指摘している。

 秋元さんによれば、住民のアンケートによると、朝の室温が3度上がった、暖房もほとんど使わない、環境改善で引っ越しを考えなくなった、などの効果が出たことを確認したという。

 また、修繕委員長で今回の改修工事に係わった横山美樹雄さんは、「この猛暑だが、リビングにあるエアン1台を28,9度にセットするだけで、家全体がすずしい。部屋が北側に面しているので、冬は防寒具をつけて寝る程、寒かったが、わずかの暖房で家中が寒くない。生活が一変した。衝撃的だ」と外断熱効果を強調していた。

 見学会のあと、場所を多摩センター駅近くのホールに会場を移して開かれた事例紹介セミナーで、特別講演したノンフィクション作家の山岡淳一郎さんは、「わずかの期間に外断熱改修を決めたのは、団地住民の結束力と日頃から住民同士が通じ合えるコミュニティがきっちり形成されていたせいだ」と評価していた。

 外断熱は、欧米では一般的だが、日本では内断熱が主流で、最近ようやく、一部のデベロッパーが、外断熱マンションを開発しているが、既存マンションでは、コストがかさむため住民合意が形成しにくいなどで、普及を阻んでいる。

 外断熱推進会議では、「南大沢の効果は期待以上だが、外断熱で建物躯体が保護される効果があり、大規模修繕の周期も延びることが期待でき、長い目でみると建物保全の省エネ、修繕費削減につながる」と話している。

NPO法人外断熱推進会議http://www.sotodan-npo.org/
TOHO(株)http://www.toho-cp.co.jp/mindex.html
(株)サンクビットhttp://www.cinqvit.com/

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- | 2012/08/30 11:06 PM
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