REJAニュースTopへ

日本不動産ジャーナリスト会議(REJA)が提供するニュースサイト

<< 住宅メーカートップの景況感、急速に悪化―1997年の金融危機に迫るマイナス幅 | 日本不動産ジャーナリスト会議 | 完成在庫マンションが10月以降は中古に?!―住宅瑕疵担保履行法の全面施行で >>

富士山の火山防災で3県が合同シンポ―住民への意識浸透を図る

 【2009-02-05:川上湛永】直ちに噴火に結びつく兆候はみられないが、いざ噴火すれば首都機能に深刻な被害が想定される富士山の火山防災について神奈川、静岡、山梨県でつくる災害対策山静神連絡会議主催で1日、小田原市の県立小田原高校で、「富士山の火山防災対策シンポジウム」が開かれた。市民、防災関係者ら300人余が参加、関心の高さを示した。
富士火山防災シンポ
写真=満員の聴衆が詰めかけた富士山火山防災シンポジウム―県立小田原高校で(神奈川県小田原市)
 シンポでは、富士山の災害史に詳しい小山真人静岡大教授が、富士山の噴火史と火山防災対策について講演。10回以上の噴火が記録されているが、宝永4年(1707年)の噴火が新しく、しかも最大の被害をもたらしたと説明。山体の巨大さから、火山灰が16日間にわたり3県だけでなく、季節風に乗り東京、千葉など200キロ先まで降ったとし、302年前と異なり、同様の噴火が起きれば都市機能が集積した現在では甚大な被害が予測されると指摘した。

 富士山は、長く鳴りを潜めているが、東大地震研究所によれば平成11年ごろから、低周波地震が最大で年67回も記録されるなど今までみられない兆候が出ている。最新の研究では、この地震が噴火の事前兆候とは考えられないとされているが、これらを受けて3県では2年前、共同で、噴火が起きた場合に想定される被害地図、噴火警報などを記載した富士山火山防災マップ(ハザードマップ)を作成、住民に配布を始めた。

 シンポでは、3県の取り組みが紹介された。山梨では、ハザードマップのほか避難マップも作成、住民だけでなく英語版を作成、観光客にも配布、風水害対策を絡めて、情報の共有化を図っているという現状が報告された。静岡では、マップ配布のほか、「富士山を知ろう」のタイトルの小冊子を作成、高校生を中心に防災教育を始めている。神奈川では、知事の下に富士山問題連絡会議を立ち上げ、降灰の影響などの対策を検討しているが、市町村レベルではそこまでいっていないという現状が伝えられた。

 各県とも被害の大きかった宝永噴火を基準に、防災対策を進めているが、降灰の被害が大きかった神奈川、噴石の落下、溶岩流や火砕流の被害が大きく、降灰の少なかった山梨、静岡とでは、対応策に地域差が見られるようだ。

 地域で災害の歴史を調べている「足柄の歴史再発見クラブ」の大脇良夫さんは、「噴火のあと27年目に、大雨で降灰の影響による洪水が発生、50人余が亡くなっている。降灰は溶けない黒い雪で、被害は後々まで続く。災害の歴史を掘り起こし、子供たちに伝えて行くことも大事だ。過去に起きたことはまた起きるものだ。県は過去のデータを含め、住民に情報提供すべきだ」と住民の立場からの対策を求めた。

この記事に対するコメント

コメントする













お問い合わせメールフォーム